Ubiik 社 sXGP 対応小型無線基地局
(2023.10.18 掲載)
PHSがサービス終了!今後は何を利用する?
後継として期待される新たな通信規格 sXGP対応の⼩型無線基地局、
Ubiik社「freeRAN」
「ピッチ」という言葉を覚えているでしょうか?1995年に移動体通信サービスとして登場し、携帯電話と同じように手軽に持ち運びができ、個人で簡単に利用できる連絡手段として爆発的なヒットを生んだPHSです。病院などでの内線としても利用されてきたPHSですが、2023年3月末にすべてのサービスが終了しました。
今回は、PHSの代替手段となる通信規格 sXGPに対応する小型無線基地局のUbiik社「freeRAN」をご紹介します。
2023年3月末、PHSサービスが終了
PHSサービスは個人向けサービスが2021年1月末に、2023年3月末には法人向けを含めすべてのサービスが終了しました。病院内や工場内など、限られたエリア内で利用される構内(自営)PHSに関しては、まだ当面の期間は継続して利用が可能ですが、スプリアス規格(※1)は旧規格から新規格への移行に対応する必要があります。また、サービスの終了により需要が減少すれば、電話機の選択肢もどんどん狭まっていくと思われます。
新スプリアス規格への対応や、電話機の選択肢がなくなるとなれば、後継機への変更を考えるのも当然のことと思います。その代替手段の一つとなるのが sXGPです。
※1 スプリアス規格:スプリアスとは、無線通信を行う際に一緒に発射される必要のない「不要電波」のこと。電波法によりスプリアス強度の許容値を規定したもの。
構内PHSに代わる新規格 sXGP
sXGPとは、携帯電話と同じ4G(LTE)規格を利用して構内ネットワークを構築できる、構内PHSの後継規格です。4G規格を利用するため、スマートフォンを端末として利用でき、PHSでは対応できなかった大容量データ通信も可能です。
また、sXGPは5G回線を利用した自営ネットワークであるローカル5Gとの併用や移行もできるため、PHSの後継としてだけでなく、工場などでのIoT向けデータ通信用途などローカル5Gの簡易版のような環境構築も可能となります。
sXGP小型無線基地局 Ubiik社「freeRAN」
理経では、sXGP対応の小型無線基地局、Ubiik社「freeRAN」という製品を取り扱っています。「freeRAN」には以下のような特長があります。
「freeRAN」の特長
・無線免許が不要
sXGPは無線免許が不要なため、ローカル5G環境構築のような複雑な免許申請は必要ありません。
・屋外対応の高い防水防塵等級
sXGP無線基地局には珍しい屋外仕様で、防水防塵等級はIP67となります。
・通話機能に加え、デバイスとのデータ通信も可能
上り4Mbps、下り12Mbpsのスループット(データ転送量)で通信します。
・VoLTE(※2)サポート
高品質の音質を提供します。
・ネットワーク網サーバ(EPC/HSS)内蔵ですぐに使える
sXGPシステムは外付けサーバを必要とする製品が多いですが、「freeRAN」では同機能を内蔵しています。設置するだけで、本体の電波が届く範囲で簡単に内線網を構築できます。
※2 VoLTE:携帯電話通信規格「LTE」を使った音声通話サービス。
電波距離は環境にもよりますが、半径200m程で一つの基地局が同時サポートする端末数は30台以上が可能です。例えば、作業者30人程度での倉庫作業用の連絡用内線やトンネル工事現場のような場所での内線電話など、携帯電話の電波が届かない場所でのライフライン環境を容易に構築できます。端末も、iOSのバージョン16.4ではsXGPを標準サポート、アンドロイド端末でも sXGPをサポートした機種が増えるなど、対応が進んでいます。
工場全体など、さらに広いエリアの内線化
一つの建物だけでなく、工場全体のような広いエリアで利用したい場合は、基地局を複数台設置し、別途外付けのネットワーク網サーバ(EPC/HSS)を設置することで実現できます。これにより基地局を移動しながらの通話や通信が可能となり、エリアをまるごと内線化することができます。
また、外付けサーバを既存のPBX(※3)や公衆電話網と接続することにより、外線電話やリモート拠点間での通話も可能となります。
※3 PBX:オフィスで使用される複数の電話機を、外線や内線に接続できるようにする装置
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