導入事例 ー ユースケース
「PLATEAU」を用いた建築物調査のためのドローンフライトシミュレータの開発
導入先国立研究開発法人 建築研究所 様
建築物の点検・調査にドローンの活用が進んでいるものの、都市部での実運用は依然として困難な状況にあります。
本研究では、ドローンによる建築物調査方法の事前検討や操縦者の技能向上のため、3D都市モデル「PLATEAU」を活用した
ドローンフライトシミュレータ(以下、シミュレータ)を開発し、その性能を仮想空間内で検証しました。
「PLATEAU」は国土交通省が2020年から整備している3D都市モデルで、全国56都市以上のデータが商用利用できるようになっています。
「PLATEAU 」LOD2(※1)データはドローンの飛行訓練や離隔距離(※2)の確認に利用、LOD3データは調査対象の部材や材料の状況を事前に確認するために使用できます。
シミュレータで作成した飛行ログは、実際のドローン飛行前の調査計画データとして活用可能です。
さらに、シミュレータは天候や時間帯も調整可能で、さまざまな環境条件を再現できます。
今後は、飛行環境や日照時間の検討など、さらなる機能改善を行う予定で、実運用に向けた検証を続けていく計画です。
※1 LOD(Level of Detal):3D都市モデルの詳細度を示し、LOD0からLOD4までのレベルがあります。
LOD0は平面のみで高さ情報がないモデル、LOD1は高さ情報を付けた長方体のモデル、LOD2は屋根、壁など外観を再現したモデル、
LOD3は建物の開口部、道路の立体交差などLOD2をさらに詳細に表したモデル、LOD4は建物の内部までモデル化したもの。
※2 離隔距離:ドローンと撮影対象となる建築物外壁面などとの直線距離。
※本件は、国立研究開発法人建築研究所「3D都市モデル(PLATEAU)を用いたドローンフライトシミュレーターによる
建築物外壁調査研究の支援業務」により実施した研究開発です。
本件における論文の詳細はこちら
石川大樹、宮内博之、二村憲太郎、北岡弘、兼松学、PLATEAUを用いた建築物調査のためのドローンフライトシミュレーターの開発、日本建築学会大会学術講演梗概集、pp.1283-1284、2023.7
https://www.aij.or.jp/paper/detail.html?productId=685941