- TrafficGeneration
2023年5月9日
ネットワークトラフィックジェネレータとは何か?なぜ必要なのか?
ネットワークトラフィックジェネレータは、トラフィックをネットワークに流し、ネットワークデバイス、プロトコル、及びトポロジのパフォーマンスをテストするツールです。 テストする際、トラフィックジェネレータは特定のタイプのトラフィックを選択することが可能です。送信されるパケットとそのデータ量を制御して、テストデバイスが実際の条件下でどのように機能するかについての見通しを得ることができます。実稼働のネットワーク上におけるアプリケーショントラフィックを複製したり、様々なデバイスやネットワークで起こりえるシナリオを生成してテストやトラブルシューティングを行うことが可能です。
トラフィックジェネレータは、デバイス間の通信を模擬するだけでなく、クライアントとサーバーの両方を模擬して、完全なテスト環境を作成できます。
トラフィックジェネレータを使ってコンピューター、電話、タブレットなどのクライアントを模擬し、テストデバイスを介してトラフィックを送信します。さらに反対側のサーバーも模擬することで、スループット、遅延、損失、QoSポリシーの順守、およびセキュリティの回復力の観点からテストデバイスやネットワークを評価することが可能です。
ネットワークトラフィックジェネレータの使用例
・SD-WANの最適化
SD-WANゲートウェイ(及びWi-Fiルーター)は、QoSポリシーに基づいてトラフィックに優先順位を付けるように設計されています。例えば、会社はZoomミーティングのビデオ品質を向上させるために、オンライン会議の映像をYouTubeよりも優先する場合があります。これは、パフォーマンスの高いMPLSリンクを介して特定のトラフィックを送信し、Wi-Fiを介して重要度の低いトラフィックを送信することで実現されます。
トラフィックジェネレータは、ネットワークを介してインテリジェントパケットを送信し、そのパスをトレースすることで、トラフィックが正しく優先順位付けされているかどうかを判断できます。
・大規模セッションの準備
トラフィックジェネレータは、全社会議の様な大規模セッション中に、デバイス又はネットワークがどの程度機能するかをテストできます。1対1のオンライン会議からデータ(オーディオ、ビデオ、画面共有)を取得し、実際のIPを取り除きます。そうすることで、フローを増幅し数千のIPとMacアドレスがあるように見せることができるので、一度に数千人のユーザーがオンラインでアクセスしているようなテストが可能です。この手法は、障害点やパフォーマンスのボトルネックを発見するのに役立ち、インフラの最適化に適しています。
・Webサーバーのパフォーマンス
トラフィックジェネレータは、Webサーバーのパフォーマンスのベンチマークを取るのに役立ちます。
サーバーが1秒間に正常に処理できるトランザクション数やログインの最大数を確認するのに使えるので、eコマースの評価などに使われたりします。例えば、政府によるワクチン接種のWebサイト(実際米国ではオバマケア中にクラッシュが発生したとのこと)やコンサートチケットのオンライン購入サイト等、同時に多くの人がアクセスすることが考えられるようなサイトにおいて、トラフィックジェネレータを使って稼働する前にテストする事で、必要な容量やセッション保持機能を把握しサーバーダウンの回避につなげることが可能です。
・ファイアウォールの検証
トラフィックジェネレータは、セキュリティインフラストラクチャを検証するための不可欠なツールです。例えば、新しいファイアウォールを設定する場合、有効なトラフィックが宛先まで通過できるようにしながら、悪意のあるトラフィックを確実に阻止する必要があります。トラフィックジェネレータで悪意のある攻撃と一般的なアプリケーショントラフィックを組み合わせて送信し、ファイアウォールが正しく機能していることを検証することでセキュリティ上の脅威を未然に防ぎます。