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理経メールマガジン
(2018.3.29 掲載)
新たに構築したGIS(地理情報)システムで、的確な状況把握と迅速な指示をサポート!!
消防庁が募集した「平成29年度消防防災科学技術研究推進制度」で採択された、理経の「有線ドローンを利用した移動型火のみやぐらとG空間システム連携の研究」。
昨年の8月30日に前橋市消防局において実施した、有線ドローン「PARC」と長距離無線LANを組み合わせた長時間の空撮ライブ中継システムの飛行実験に続き、2018年1月18日に工学院大学 犬目キャンパスにおいて第2回の実証実験を実施しました。
今回の実験の内容は?
今回の実証実験は、前回に引き続き、下記の五つを目的に行いました。
1. 有線ドローン「PARC」の組み立て
実際の展開を想定し、「PARC」を箱から取り出すところから実施し、組み立て、飛行まで一連の操作を確認し、運用方法を考察しました。
2. 有線ドローンとGISシステムを使用した上空からの災害状況のリアルタイム映像配信
今回新たにG空間を利用したGIS(Geographic Information System:地理情報システム)を構築。「移動型火のみやぐら」の位置情報や映像を活かし、消防署員への指示、被災者への避難誘導をシームレスに行うことにより、迅速な災害対応、救助活動、避難行動を支援するシステムの構築を目標としています。
また、GIS(地理情報システム)上に、有線ドローン「PARC」を表示し、中継映像との連携を行います。
3. ウエアラブルカメラを使用した、災害状況の情報発信
小型のウエアラブル端末を隊員が装着することにより、リアルタイムに現場の映像/音声の配信が可能で、被害状況の把握に役立ちます。これにより、救助活動の指示、局所的防災無線を利用した住民への避難指示を柔軟に行うことが可能となります。
4. 長距離無線LAN(FWA)を使用した自営通信網の構築
大規模災害時には、インフラの断裂、携帯基地局の停止などの事態が予想されます。このことから、公共インフラが断裂した際にも、長距離無線LAN(FWA)を使用することにより、広範囲でインフラの確保が可能になります。本実証実験では、実際に工学院大学の新宿キャンパスと八王子キャンパス間の34kmの区間を結び、約10Mbpsの回線構築を行っています。このFWA伝送路を利用し、有線ドローン「PARC」の映像、ウエアラブルカメラの映像確認を、工学院大学 新宿キャンパスで行いました。
5. GIS(地理情報システム)を用いた、災害情報の視覚化
モニター上で、ドローンの位置情報、中継映像が連携されており、地図上にはどの場所にドローンが配置されているかなどがマッピングされています。モニター上でドローンをクリックすると、ドローンの撮影映像がポップアップするような仕組みになっています。 また、隊員が装着したウエアラブルカメラの映像も地図上に表示されています。
実験を終えて
当日は、寒空の中、多くの消防関係の方にご参加いただきました。有線ドローンの組み立てやプレゼンにも多くの質問が寄せられました。
今後は、有線ドローンの組み立てから飛行までのプロセスをより短縮し、消防車両に実装することや、GISソフトウェアを完成させ、有線ドローンの映像、ウエアラブルカメラ装着の隊員映像、災害現場の映像、被災者の位置情報、局地的防災無線への音声合成放送などを、一つのGISアプリ上に表示し、効果測定を行うことが考えられています。
災害対策本部において、さまざまな情報の組み込み、情報の視覚化を行い、運用効率の向上を目指していきます。
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