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理経メールマガジン
(2020.11.27 掲載)
写真一枚から3Dデータを生成
「モーションポートレート」で、あなたのお買い物のカタチが変わるかも?
みなさんも、自分の顔写真からゲームなどで使うアバターを作った経験がある方も多いのではないでしょうか。そういったものには、顔写真から自動的に3Dモデル化し、さまざまな表情のアニメーションを作る「モーションポートレート」という技術がよく利用されています。
人の顔は目、鼻、口をはじめとした多くのパーツで構成されており、一つとして同じ物はありません。「モーションポートレート」技術は、それらの複雑な条件が組み合わさった顔の情報を解析する独自開発のAI技術に基づいています。この技術を用いれば、被写体の年齢、性別、表情などを高速かつ高精度に解析することもできます。また、自動生成された顔の3Dモデルに対して、簡単に表情を変えたり、喋らせたりすることができます。
この技術を用いたモーションポートレート社のソリューションは、タブレットを利用した店頭接客アプリや、ECサイト上でのシミュレーターとして、化粧品メーカーやメガネ販売店などでも利用されています。
どのような使い方ができるのでしょうか。
メイクシミュレーション
独自の顔認識技術で、顔の各パーツを正確に認識し、またメイクの発色など細かい部分を再現可能なため、鏡の前でメイクアップを行っているような、リアリティの高いシミュレーションを実現します。
メイクは使ってみて初めて、思っていた仕上がりにならない、自分の肌の色になじまないなどが分かることありますが、購入前に納得いくまで店頭でメイクを試すには時間がかかりすぎるという課題がありました。メイクシミュレーションを使うことで、目元や口元のラインアップを個別に試すだけでなく、顔全体のトータルバランスを見ながら何度でも商品を試せるため、自分に似合うパターンを短時間で選ぶことができます。毎季ごとにたくさんの種類が出る季節の新色を手軽に全種類試すということも可能になります。
メイクシミュレーション
メガネシミュレーション
メガネシミュレーション
日本では視力補正やオシャレなど、さまざまな理由でメガネをかけている人が多く、街中でもよくメガネ屋さんを見かけますね。かけるメガネによって顔の印象が変わってしまうため、購入前に自分に似合うデザインをしっかりと選びたいところだと思います。しかし、試着用のメガネには度が入っていないため、鏡に映る自分の顔がはっきり見えないなど、メガネユーザーにとっては悩みの種ではないでしょうか。メガネシミュレーションを使うことで、ご自身のメガネをかけたまま、さまざまなメガネを試すことができます。また、顔の特徴を解析してお似合いのメガネを推薦するシステムを構築することも可能です。
百貨店などに店舗を置くメーカーの場合、1点物のメガネを取り扱うことも多く、外商でお客様の元に商品をお持ちするにも、持ち歩ける数に限りがある、外商に持ち出された商品は、店舗での試着ができないなどのケースもあります。シミュレーションを用いれば複数店舗で1つの商品の試着が同時に可能になるなど、効率よく商品を紹介できます。
3Dモデル/アバターの生成
一枚の顔写真から頭部全体の3Dモデルを生成可能です。3Dモデルには独自のエンジンを用いて、瞬きをしたり、表情を変えたり、実際にしゃべってるような唇の動きをさせたりすることが可能で、広告業界やゲーム業界などで採用されています。また、生成した3DモデルをVRなどの3D空間で動かすことも可能です。この技術を応用したアバターは、バーチャル会議や、バーチャル受付システムなど、リモート環境下での会話ツールとしても活用できます。新しい生活様式(※)での活躍が期待できます。
バーチャル受付システム
※新しい生活様式:新型コロナウイルス感染症の感染拡大の抑止のため、感染症対策に通じる所作を日常生活の中に織り込んだ、旧来通りではない生活の仕方のこと。厚生労働省などが標語として用いている。