導入事例 ー お客様活用事例
PTC CreoとPTC Windchillを中核に、パラメトリックな3次元CAD環境を構築製品の軽量化、省スペース化、コストダウンを実現

導入先株式会社戸上電機製作所 様

PTCの3次元CAD環境とデータ管理を最新バージョンにアップグレードし、最新のPTC Creo 2.0 とPTC Windchill10.1を組み合わせた環境に移行。柔軟なワークフローと、Microsoft Office に準拠した直感的なUIを備えるPTC Creoを活用し、さらなる設計作業の効率化、製品品質の向上、コスト削減などを実現していく。

導入製品

  • PTCジャパン株式会社PTC Creo 2.0
  • PTCジャパン株式会社Windchill10.1

お客様情報

株式会社戸上電機製作所 様

所在地 佐賀市大財北町1番1号
設立 大正14年3月12日
代表者 代表取締役社長 戸上信一
資本金 28億9,959万円
従業員数 373名(平成24年3月末現在)
  • 課題・導入背景

    • 設計作業を効率化したい
    • コストを削減したい
  • 対策

    • PTC Windchillを導入して調達工数の削減、生産リードタイムの短縮はかる
  • 導入効果

    • ビジュアルな UI に変わったことは、設計初心者にとって大きなメリットになった

課題・導入背景

「スイッチの戸上」として知られる戸上電機は、電力システム機器、探査機器、測定機器などの設計、開発、製造、販売、および保守を一貫して行う電機メーカーだ。佐賀県に本社を置き、2014年3月に創業89周年を迎えた。「社会を、地球を、未来を豊かに。」という企業理念のもと、時流に合わせた製品開発とイノベーションの創出を通じて、企業価値を高めるチャレンジを続けている。

トップダウン設計の思想を浸透させるのが肝

厳しい市場競争を勝ち抜くため、同社は2000年、PTCの3次元CAD(当時のPro/ENGINEER)を導入し、製品設計をフルに3次元化する取り組みをスタートさせた。技術本部 製品開発部長野中 政則氏は、「3次元CADへの移行のポイントは、製品全体の大枠を固め、それをもとに各部の詳細設計を決めていくトップダウン設計の思想を浸透させることです。3次元CADは、部分の設計を積み上げて全体を設計するボトムアップ設計の発想から転換し、製品の軽量化や省スペース化、コストダウンを達成する強力な武器になると確信したのです」と語る。

まずは、3次元CAD環境を社内に定着させ、有効活用するための方針を定める専門チームを組織。約7カ月をかけて、PTCの3次元CADをベースとする設計ルールや運用マニュアル、ファイル管理規定などを策定した。図面の統一性を確保するため、図面内で使用する文字のテンプレートを作成するなど、細かな調整も行った。

技術本部 製品開発部 電子開発グループ 主事 益田 正樹氏は、「各設計者が異なる手順やルールにもとづいてモデリングを行うと、アセンブリ時やモデル編集時にエラーによる手戻りが頻発してしまいます。3次元CAD導入の成果を最大化するためのルール作りには慎重に慎重を重ねました」と語る。

2006年、すべての設計者が3次元CADを利用できる環境が整備された。以降、企画段階に入った製品の設計は、銘板を含めてすべて3次元で実施し、すでに出荷していた製品のメンテナンス時のみ2次元CADを使用している。さらに2007年には、PTC Windchillを導入し、BOM情報、および各種CADデータを統合的に管理できる環境を確立した。

セキュリティの観点から最新バージョンへ移行

戸上電機では、PTC の 3次元 CAD 環境を運用しながら数度のアップグレードを行い、設計プロセスを効率化してきた。段階的に活用の度合いを深めていたが、セキュリティの観点から最新バージョンに移行することが必要になった。

技術本部 製品開発部 高圧開発グループ リーダー 西 隆文氏は、「設計者は、2014 年 4 月にサポートを終了する WindowsXP マシンを使用していました。サポート期限内に Windows7 にアップグレードする必要があり、同時に最新の PTC Creo2.0 を検討することにしたのです」と話す。

パラメトリック設計をベースにしたい

その際に、最も重視したのは、Pro/ENGINEER と同様にパラメトリック・モデリング機能を活用できること。野中氏は、「ダイレクト・モデリングを使うと楽になる部分があることは認めますが、やみくもに使われると困ります。設計意図を盛り込めるパラメトリックの良さが引き継がれていることがわかったので、PTC Creo 2.0 への移行を決めました」と話す。約1カ月のパイロット運用では、Microsoft Office 2013との連携を含め、実用に耐えられることを確認。並行して、PTC Creo 2.0 の操作方法を学ぶ実習の場を設け、すべての設計者に PTC Creo2.0 の操作をしてもらい、スムーズな運用移行の取組みをおこなった。

対策

Windchillを導入して柔軟なワークフローと、直観的なUIを備えるPTC Creoを活用

株式会社戸上電機製作所(以下、戸上電機)は 2014年2月、PTCの3次元CAD環境とデータ管理を最新バージョンにアップグレードし、最新のPTC Creo 2.0 とPTC Windchill10.1を組み合わせた環境に移行。柔軟なワークフローと、Microsoft Office に準拠した直感的なUIを備えるPTC Creoを活用し、さらなる設計作業の効率化、製品品質の向上、コスト削減などを実現していく。今後は、ERPシステムとPTC Windchillを連携し、調達工数の削減や生産リードタイムの短縮などを実現したい考えだ。

導入効果

PTC Creo 2.0 は設計初心者の教育ツールとしても役立つ

戸上電機は 2014 年 2 月より、PTC Creo 2.0 の本格的な利用を開始した。データ移行済みの最新版 PTC Windchill 10.1 に格納したデータを PTC Creo で扱えるよう設定し、設計作業のさらなる効率化・製品品質の向上を目指している。パラメトリック設計の思想をそのまま引き継いでいるため、設計者がPTC Creo にとまどうことはなく、操作方法をめぐるトラブルで業務が滞ったケースはなかったという。

ビジュアルな UI に変わったことは、設計初心者にとって大きなメリットになった。PTC Creo は Microsoft Office ライクなリボン型 UI を採用しているため、設計者は Office ソフトを扱うように操作できる。

  • 株式会社戸上電機製作所
    技術本部 製品開発部 高圧開発グループ リーダー
    西 隆文氏

    西氏は、「PTC Creo のスケッチは直感的です。エラーの発生を視覚的につかめるのはありがたい部分。操作面では、断面をドラッグしながら干渉を見られるなど、使いやすくなりました。製品に使用する部品の親子関係もわかりやすいです」と語る。

    PTC Creo の評価が高いのは、設計者の生産性を向上させるさまざまな機能と UI が実装されているためだけではない。豊富な機能とパラメトリックなモデリング環境が同社の設計思想の根幹を支えているためだ。

  • 株式会社戸上電機製作所
    技術本部 製品開発部 電子開発グループ 主事
    益田 正樹氏

    益田氏は、「PTC Creo は、ユーザーの改善要望を取り入れ、ユーザーの目線で開発された CAD だと感じます。さらに、詳細に仕様を固めて適切な拘束条件を設定しなければ、意図したとおりの形状を描くことをできないため、設計初心者の教育ツールとしても非常に優れています。PTC Creo を使えば設計スキルが向上するのです」と語る。

    戸上電機は将来、電子図面を生産現場に展開したいという。工場にモニターを置いて図面を見ながら部品の組み付けなどの作業指示を行える環境を整備できれば、ペーパーレスも実現する。

  • 株式会社戸上電機製作所
    技術本部製品開発部長
    野中 政則氏

    野中氏は、「次の目標は、ERPシステムとPTC Windchillの連携です。E-BOMとM-BOMを分けた状態で、連携して同期することが理想です。調達工数の削減や生産リードタイムの短縮などを実現し、品質向上、コスト削減、および納期遵守を達成する業務基盤として、システムを活用していきます」と話している。

※本「導入事例」は、PTCジャパン株式会社より許諾を受け、掲載しております。
※本コンテンツに記載の内容(会社名、役職名、製品・サービス内容等)は、取材時の情報です。

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