導入事例 ー お客様活用事例
土砂災害をVRで疑似体験、参加市民の防災意識が5割向上
導入先神戸市 様
平成30年7月豪雨、台風12号・21号と度重なる災害により、神戸市灘区などで土石流により重大な被害に見舞われました。本VRを体験することで、土砂災害の危険性を理解し、避難意識の向上に役立ちます。
導入製品
お客様情報
神戸市 様
所在地 | 兵庫県神戸市 |
---|---|
概 要 | 兵庫県南部に位置する県庁所在地。9区から構成される政令指定都市。 六甲山を中心にした広大な地域で、六甲山地南側の幅3Km程度の細長い低地部が市の中心であり、海岸から山麓に至るまで、ほぼ切れ目なく市街地が続いている。 |
課題・導入背景
2018年の夏、西日本は「平成30年7月豪雨」や台風12号・21号と度重なる災害により、近畿地方から中国地方を含む、幅広い地域で被害が発生しました。神戸市でも、土石流災害により灘区篠原台などで重大な被害に見舞われました。被災後に神戸新聞が実施したアンケートによると、避難率は約5%に留まっており、市民の防災意識に大きな向上の余地があることも明らかとなりました。
対策
スタートアップ企業と神戸市が協働する、国内自治体初の地域課題解決プロジェクト 「Urban Innovation KOBE(※)」平成30年度下半期テーマ「土砂災害VRの実証開発」の研究開発チームとして採択され、「土砂災害VR」の実証開発ならびに防災研修を実施しました。
※Urban Innovation KOBE:平成29年度に神戸市がスタートした取り組みで、柔軟な発想や優れた技術力を持つスタートアップ・ベンチャー企業と、社会・地域課題のことを詳しく知る市職員が協働することで、市民にとって最適な解決手法を見出し、サービスの構築・実証を目指す取り組み。
「土砂災害VR」は神戸市内によくある山際の斜面に近い坂道のある住宅街を想定し、そこで起きた災害を再現しています。土砂災害をミニチュアの実験場で再現した映像をVRに移行しています。VR体験者は臨場感のある災害の様子を疑似体験することで、危険性の理解を促し避難意識の向上を図ります。
2019年3月に神戸市内防火安全協会の会員や市内中学校の生徒への防災研修で初公開されました。2020年の3月までに体験会は49回実施され、総参加者は2,667人になります。
導入効果
VRによる防災訓練は、目新しさから若・中年層の防災学習への興味を高め、没入感や臨場感により、参加した市民の防災意識が5割向上しました。さらに、参加者が訓練時の行動選択に対し即時にフィードバックが得られることから、神戸市民の防災意識の維持向上および市民の被災を最小化することに大きく貢献できると期待されています。