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理経メールマガジン
(2017.6.22 掲載)
日本初!ドローンを用いた超高層ビル街での実証実験に参加!
首都圏で直下型大地震などの災害が発生した場合、通信インフラが断裂してしまい被災地の被害状況などの情報を入手することが難しく、迅速な対応や二次災害を防ぐことが困難になると想定されます。
2011年3月11日に発生した東日本大震災では、理経本社のある新宿西口地区でも多くの人が道にあふれ、混乱が見られました。
こうした背景を受け、2017年2月11日、日本有数の人口密集地かつ超高層ビル街である新宿西口エリアと新宿駅周辺地域において、災害時の情報収集や滞留者誘導を目的に、「チーム・新宿※1」によるドローン活用の実効性と課題を確認する実証実験を行いました。
実証実験の内容は?
新宿中央公園は、西口エリア高層ビル群の広域避難場所に指定されています。災害発生時に被災地の状況や避難状況の把握をするためドローンを用い、搭載したカメラで新宿中央公園の動画撮影を行いました。撮影は、高度を50m、100m、200mと徐々に上げ、画質を確認するとともに、赤外線カメラによる撮影で公園周辺に人がどれくらい滞留しているかの把握確認も行われました。
さらに、ドローンに搭載したスピーカーで、滞留者に対する音声での情報伝達の検証も行われました。ドローンの高度を変えて音量やスピーカーの角度によりどの高さが有効なのか、どれくらいの範囲まで聞こえるかを検証しました。
理経の役割は?
今回の実証実験では、ドローンで撮影された映像を各拠点間に伝送するため、理経が取り扱うRAD Data Communications社製4.9GHz帯無線機「Airmux」を使用し、新宿区役所⇔工学院大学⇔新宿中央公園の拠点間を長距離無線通信で結び、災害情報を共有するシステムを構築しました。
これにより、災害発生時においてもドローンの発着拠点と現地本部、各拠点に設置されたモニターでリアルタイムに現地の状況確認や映像情報を共有したり、ドローンに搭載したスピーカーを利用して滞留者の誘導を迅速に行うことが可能になります。
【実験を終えて】
実証実験中の映像を確認したところ、映像遅延もほとんどなく、リアルタイムに有益な情報の入手が可能であることが確認できました。また、システム構成が非常にシンプルなため、災害時においても迅速に展開し二次災害を防ぐことができます。
超高層ビル街でドローンを使用した災害対策は非常に珍しく、当日の新宿中央公園には多くの報道関係者から取材があり、関心の高さがうかがえる貴重な実験となりました。本実証実験は、2017年度も実施していく予定です。
今後も理経は有益で実用的な災害情報伝達システムの提案や構築を行い、防災分野でのさらなる社会貢献を行ってまいります。
- RAD Data Communications社「AirMuxシリーズ」
- 本実証実験に関するニュースリリース -2017.2.6発表
- 本実証実験に関するニュースリリース -2017.2.17発表