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(2014.10.8 掲載)

理経ってどんな会社?その歴史は?

1957年6月 東京タワー着工
(1957年12月撮影)

「理経」という社名は、横文字が氾濫している今現在、かえって人目を惹くかと思います。「『理科』の『理』に『経済』の『経』で『理経』です」なんて会社の自己紹介をする社員が多いですが・・・。改めまして、「サイエンス」アンド「エコノミー」です。なんて言ってみると何となくいい響きだと思いませんか。

さて、その歴史はというと、設立は1957年6月。今から57年前。為替相場は固定レートで1ドル360円、タバコは一箱40円!コンピューター市場は黎明期で未開の地(当時に倣って「コンピューター」と伸ばして表記)。「ミニコン(=ミニコンピューター)」で一躍名を馳せた米国DEC(Digital Equipment Corporation・現Hewlett Packard)社や半導体大手のフェアチャイルド社が設立されたのも同じ1957年なのです。戦後10年以上が経ち原子力発電が話題になったり、ソニーがトランジスターの製造を開始するなど、日本でも先端技術の時代が到来する兆しが見えていました。そんななか、これからの時代普通の商社では商売を成り立たせるのは難しい、と考えた創業者・故石川忠造氏が、次代の流れに乗ることを期して技術商社である理経(当時は理経産業株式会社)を設立したのです!

DEC社の「ミニコン」で大学・研究機関に浸透

DEC社製コンピューター PDP-5

理経が創業して最初に扱った製品は「光電子増倍管」(Photo Multiple Tube:PMT)。宇宙からの電子線を検知するシステム(スーパーカミオカンデなどにも設置)に使用されました。

そして1963年、理経の歴史に刻まれた出会いがありました。先述のDEC社と独占販売代理店契約を締結したのです。当初、DEC社からメモリコアの検査器を購入する機会があり、担当者がDEC社を訪問した際に多数の「ミニコンピューター」を目にしたのをきっかけに、代理店契約を締結。1964年、日本初の一号機を東京大学に納入したのを皮切りに、DECコンピューターは日本市場へと参入しました。

当時、日本の研究者の多くはコンピューターを利用し始めていましたが、いわゆるメインフレームと呼ばれるIBM社の高価な製品が大半だったなか、安価で手ごろなDEC社の「ミニコンピューター」はたちまち人気を博し、米国に留学していた日本の研究者は帰国後も「DECのミニコン」を求め、全国の大学・研究機関から注文が相次ぎました。これにより草創期の経営も軌道に乗り、顧客基盤が形成されました。これが現在の「システムソリューション事業」へとつながっています。

Motorola ICでエレクトロニクス業界での認知度アップ

1970年 理経産業時代の
日本エレクトロニクスショー

一方、エレクトロニクスの分野では「IC(集積回路)って何?」という世間の人々はあまり知らない1964年、米国Motorola Semiconductor Products社(現Motorola社)の輸入販売代理店になり、日本の大手電気製品メーカーなどにMotorolaのICを大々的に販売開始。横にそれますが、1964年は東海道新幹線が開通し、戦後初めてアジアで開催された東京オリンピックの年でもあります。

その後、販売実績から業界の評価と認知度が上がった理経は、さらなる新製品の開拓をもくろみ、大阪万博が開催された1970年、米国カリフォルニア州サンノゼに日本企業として初の駐在員事務所を開設。これにより、最先端技術に基づく数多くのエレクトロニクス製品や電子部品を発掘し、顧客層と事業内容を拡大。これが現在の「電子機器及び部品事業」となっています。

南極昭和基地、全日空システムでネットワークソリューションの基盤を確立

1974年 衛星追尾アンテナを
南極昭和基地へ納入

1970年代初頭のドルショック、石油ショックを経た1974年、南極の昭和基地に、人工衛星移動追尾アンテナとテレメータ装置を納入。これらは米国のScientific Atlanta Inc(現Cisco Systems G.K)という通信機器、計測機器、検査装置などのメーカーの製品です。輸入販売を担っていた理経はこの昭和基地のプロジェクト後、航空・宇宙・防衛産業において、数々のアンテナプロジェクト、衛星通信プロジェクトに関わることになりました。

1988年 34mの
超大型アンテナを納入
(鹿島宇宙センター)

一方、民間向けでは1976年に全日空の主要空港と支店、代理店を結ぶオンライン予約システムネットワークを納入。最近ではあまり使われませんが、当時は「データ通信」というくくりのビジネスを展開していました。今では数千円で買えるモデムが、当時は数百万円もする高価な物でした。

その後、大手証券会社から国際ネットワークシステムを受注、郵政省の通信総合研究所より直径34メートルの超大型アンテナを受注するなどのビジネスを経て、情報通信、データ通信の分野において実績を確立し、現在の「ネットワークソリューション事業」へと発展しました。

ちょっと長くなりましたが、理経の設立から現在の三分野の事業形態に至る歴史を駆け足で紹介しました。当社の歴史上、IT業界やエレクトロニクス業界にインパクトを与えた逸話はまだまだあります!それはまたの機会にお話しさせて下さい。

設立から57年を経た理経ですが、草創期から今に至るまで、根底にあるのは、最先端の技術に基づく「一歩先のソリューション」をお客様に提供することです。「企業活動の質、速度、量を高め技術革新の追求を通して、社会に貢献します」を企業理念とし、挑戦と改革を絶え間なく続け、お客様とともに成長する企業でありたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。