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2022年7月5日

  • ニュースリリース

– 放送・配信システムAll-IP化を支援 – 東京エレクトロンデバイス「TED BI Lab」での相互接続評価に参画

株式会社理経(本社:東京都新宿区、代表取締役社長 猪坂 哲、以下 理経)は、東京エレクトロン デバイス株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長 徳重 敦之、以下 TED)、日本ヒューレット・パッカード合同会社(本社:東京都江東区、代表執行役員社長:望月 弘一、以下HPE)、ATEME SA(本社:France、President, CEO:Michel Artières、以下、ATEME社)と、TEDが設置する放送業界向けの検証ラボ「TED BI Lab」を活用した共同試験に参画したことを発表します。

市場背景

従来の映像伝送メディアは同軸ケーブルを用いたSDIが主流とされていましたが、近年はフルハイビジョン対応、フレームレート(※1)の増加、4K/8Kなどの高精細映像の必要性が高まり、放送用ネットワークの限界が指摘されています。そこで放送業界においては、放送機器に双方向通信可能な光ファイバを用いたIP技術を採用し、主要な伝送媒体として用いるケースが増えてきています。

また、理経がATEME社のソフトウェアとHPEのサーバを国内調達し、理経技術センターにおいてこれらを組み合わせて製品化することが可能になり、これまで以上にサーバの構成、設定内容に関しての理解を深め、お客様に安心して保守支援をご利用いただける環境を整えることができました。

※1 フレームレート:1秒間の動画が何枚の画像で構成されているかを示す単位のこと。

共同試験概要

理経およびATEME社は、「TITAN Liveエンコーダ (※2)」に映像伝送規格(SMPTE ST2110)のソースを入力して、動画配信プロトコル(低遅延HLS/DASH)による配信を用い、低遅延インターネット動画配信を評価しました。

本試験では、「TITAN Liveエンコーダ」、HPE社のサーバおよび、NVIDIA社(旧:Mellanox Technologies, Ltd)のLANに接続するための拡張装置10/25GのNIC(※4)を使用しています。TED BI Labにて用意された、アリスタネットワークス社製ネットワークスイッチ(※5)を中心とした100Gbpsの高速IPネットワークで非圧縮映像の伝送が可能なシステムを用いて、「ATEME社 TITAN Liveエンコーダ」における低遅延モードとの相互接続を評価しました。

アリスタネットワークス社製ネットワークスイッチは、時間を同期させるPTP(Precision Time Protocol)を処理可能なハードウェアスイッチです。

本検証によって、ST2110信号を用いてマルチビットレート・エンコーディング(※6)信号を低遅延で出力でき、相互接続が可能であることを確認しました。従来の同軸ケーブルを用いたSDI(※7)による映像素材の信号入力から、エンコードはじめとする配信処理までの放送システムをALL-IP化することで、4K/8K時代における効率的で柔軟に高精細なコンテンツの伝送を実現する放送システムの構築へ向けたご提案が可能になります。


※2 エンコーダ:映像や音声などを伝送する際に、最適な形式に変換するための製品。
※3 SMPTE ST 2110: 米国映画テレビ技術者協会(Society of Motion Picture and Television Engineers)が定める放送番組素材伝送用の映像伝送規格。映像、音声、補助データを別々のストリームで伝送するという特徴を持つ。
※4 NIC(Network Interface Card):コンピュータなどの機器をLANに接続するためのカード型の拡張装置。
※5 ネットワークスイッチ:ケーブルによって接続された複数の情報通信機器の間でデータの中継・転送を行う集線装置。
※6 マルチビットレート・エンコーディング:ストリーミングファイルを、さまざまな帯域や接続環境でも1つのファイルで再生できるようにエンコードすること。
※7 SDI(Serial Digital Interface):主に業務用映像機器で使われている高速シリアル・インターフェース規格。

特長

<本検証での評価ポイント>

  • SMPTE ST 2110による非圧縮映像の信号入力
  • SMPTE ST 2022-7による映像信号のヒットレス切替
  • NMOS IS-04(SDP)ネットワークに組み込まれた映像信号
  • IPマルチキャスト
  • PTP信号の同期信号
  • NMOS AWMA IS-04 IS-05による入力信号制御
  • 低遅延マルチビットレート・エンコーディング出力
  • 低遅延HLS/DASH出力

<ATEME社「TITAN Liveエンコーダシステム」製品概要>
ATEME社「TITAN Liveエンコーダシステム」は特定のハードウェアに依存せず、汎用サーバやパブリック・クラウド上などで動作するソフトウェアです。本製品は低遅延モードが強みで、低遅延マルチビットレート・エンコーディング出力や、低遅延HLS/DASH出力が可能です。

今後の展開

国内放送局での放送設備IP化に向けた設備更新に伴う需要に対して、4社で協力して提案活動をしていきます。

東京エレクトロン デバイス株式会社について

東京エレクトロンデバイスは、半導体製品やITソリューション等を提供する「商社ビジネス」と、お客様の設計受託や自社ブランド商品の開発を行う「メーカー機能」を有する技術商社です。

所在地 〒221-0056 神奈川県横浜市神奈川区金港町1番地4 横浜イーストスクエア
資本金 24億9千5百万円
代表者 代表取締役社長 徳重 敦之
設立年月日 1986年3月3日
事業内容 1.半導体及び電子デバイス(EC)事業
半導体、ボード、ソフトウェア、電子部品等の販売、設計・開発
2.コンピュータシステム関連(CN)事業
ネットワーク、ストレージ、ソフトウェアの販売、保守サービス
URL https://www.teldevice.co.jp/

HPE(ヒューレット・パッカード エンタープライズ)について

Hewlett Packard Enterprise (NYSE: HPE) は、グローバルedge-to-cloudカンパニーとして、あらゆる場所に蓄積される全てのデータの価値を解き放ち、事業の成果を加速させる支援をします。人々の生活そして働き方の向上を目指し、数十年にわたって未来の再考とイノベーションを重ね、HPEは独自でありながら、オープンでインテリジェントなテクノロジーソリューションをアズ・ア・サービスで提供しています。クラウドサービス、コンピュート、HPC & AI、インテリジェントエッジ、ソフトウェア、ストレージを全てのクラウドとエッジにわたって一貫したエクスペリエンスで提供することで、お客様が新たなビジネスモデルを創出し、新たなエンゲージメントを展開し、運用のパフォーマンスを最大化できるようサポートしています。詳細は https://www.hpe.com でご確認ください。

ATEME SAについて

ATEME SAは、ビデオ圧縮および配信ソリューションのグローバルリーダーであり、ティアワンのコンテンツプロバイダー、サービスプロバイダー、ストリーミングプラットフォームが視聴者との契約を増やし、解約率を低減するための支援をしています。
ATEME SAは、非圧縮信号のIP化の需要を受け、各プロダクトにおいてST2110及びNMOSへの対応を行っています。

所在地 Batiment Jade, 6 Rue Dewoitine, Velizy-illacoublay, 78140 | France
代表者 President,CEO  Michel Artières
設立 1991年
事業内容 ビデオ圧縮および配信ソリューション
URL www.ateme.com

株式会社理経について

株式会社理経は、IT及びエレクトロニクス業界のソリューションベンダーとして1957年に設立以来、システムからネットワーク、VR/ARコンテンツ、電子材料・電子機器までさまざまなソリューションを提供しています。国内外の最先端技術や先進的な製品を活用したソリューションを提案し、お客様の業務の効率化、収益の改善などビジネスの発展に寄与します。

所在地 〒160-0023 東京都新宿区西新宿三丁目2番11号 新宿三井ビルディング二号館
資本金 34億2,691万円(2022年3月末日現在)
代表者 代表取締役社長 猪坂 哲
設立年月日 1957年6月8日
事業内容 ・システムソリューション
・ネットワークソリューション
・電子部品及び機器
URL https://www.rikei.co.jp
Twitter https://twitter.com/rikei_pr

※記載されている製品名、社名は、各社の商標または登録商標です。

お問い合わせ

伝送・配信システム営業部 システムセールス第1グループ
TEL:03-3345-2182(ダイヤルイン)
E-mail:sales-csg@rikei.co.jp
製品ページURL:https://www.rikei.co.jp/product/701/